「吊るされた男」には過去の価値観を拒否すること、贖罪あるいは内面的にも改心し外面的にも償うことを示している。わたしたちは新しい生き方、新たに決まったことを受け入れ、考え方を変えて過去の出来事と折り合いをつけていくことができる。悔い改めることによって、自分の過去の振る舞いを正していくことができる。このカードは自分の行為の結果を受け入れていかなければならないこと、また究極的にはすべてのものには切り離すことのできないつながりがあることを示している。
ー『シークレット・オブ・ザ・タロット』
マーカス・カッツ/タリ・グッドウィン 著
伊泉龍一 訳
たった2日間、わずか48時間だけうちの仔でいてくれた、大切な可愛いサビの仔猫『みつは』ちゃんのことをお話したいと思います。
―でもその前に…
我が家から虹の橋へ旅立った3匹のねこたちのこと
2015年11月に8歳で旅立ったのは、淡いブラウンタビ―のアメリカンショートヘアのねこ、かんちゃん。食卓の椅子の端からスカートをチョイチョイいたずらするのが大好きだから、チョイチョイかんちゃん。
下痢を伴う病気で亡くなったけれど、動物病院であれだけ様々な検査をしても結局原因は今もわからないまま。
ペットショップからうちに来る時にしつこく「お勧めしません、アレルギーがありますよ」と念を押された仔だった。ペットショップで既に4ヶ月ぐらい、見た目も成猫に近くなってたように記憶してる。
でもそのアレルギー?が下痢の原因かどうかはわからない。8歳になって症状が出るまで、体調でおかしなことなど感じたこともなかった。下痢の症状が出てからは病院で血もいっぱい抜かれた。しょっちゅう通って毎回検査をした。私自身はネットで検索してFIPを疑った。でもそうではなかったようだ。
薬は出なかった。原因がわからないから。下痢止めも、言ってもくれない。
「薬では止められないと思いますよ」
「ごはんでなんとか対応してください」と。
最終的には医師から「原因が全く不明です。もしかしたら効果があるかもしれないから、免疫抑制剤を打ちますか?それがだめなら次は抗がん剤を打つことになると思います…それで治る仔がまれにいるんです。」と言われた。
もしかしたら??まれ??
確実なのではなくて「あるかもしれない」?抗がん剤って?そんな簡単に打つものなの??
こちらとしては不信感ばかりつのっていく。
あらゆるごはんを試した。海外のオーガニックから国内の安いものまでありとあらゆるものを。手造りご飯も食べてくれた。いろいろ試しながら少し下痢が止まって元気を回復すると、また酷い下痢…をくりかえして、とうとう亡くなった。8歳だった。
※猫の病気を治す研究は4~5年前から目覚ましく進化していると、今回みつはちゃんをお世話してくれたボランティアさんから耳にした。今だったら、ウィルスの検査を徹底的にしらみつぶしにできるだろうとのこと。きっと効果的な対策を立てられたろうと思う。悔しくてたまらない。
かんちゃんの病で、しんどい中で検査ばかりくり返していた動物医療業界への根深い不信感だけが残った。絶対に連れていきたくない場所になった。苦しみばかり。
私が会社員の仕事を辞めることになる直接の原因になったのは、かんちゃんの逝去だった。猫はこれから高齢になる。このまま仕事なんて続けてられない。
「もっと看病できたはずだ」、「やれることがあったのではないか」あれからずっと悔まれていた。夜中にくるしくて鳴く声はずっと忘れられない。仕事で毎日早起きだったこともあり、寝室は別室だったので傍にいてやれなかった。
2019年5月の終りごろ、黒白が可愛いスコティッシュのきちえちゃんが突然食欲がなくなっていた。
ほんの数日前まで元気いっぱい、帰宅時にはいつもお迎え。階段をトントンのぼり降りしていた。なのに少し様子がおかしい。春だし気温の変化などで体調を崩したのか?彼女が体調を崩すのは初めてだった。もともと10歳を過ぎたあたりから寝ていることが多いけど、元気が無さそうに見える。今日、食べてない!?
気付いてシリンジで流動食を食べさせ、水を飲ませて、時には猫用ミルクを飲ませて、様子を見た。その間、実質4日程。回復しそうに見えていたのは完全に間違いだった。希望的観測だった。
かんちゃんの頃から病院には不信感しかなく、連れていきたくなかったことも悪因だけど、そもそも、完全に体調を甘くみていた。元気になるだろうと思っていた。まだ12歳。そんなわけないと思っていた。
結局原因はわからず…私自身、受け止められないまま迎えた虹の橋への旅立ちだった。ずっと腑に落ちないまま、時間が過ぎていく。
しばらくは悪夢は無いと思っていた。
しかしあまりにも早く、見覚えのある嫌な気配がおそってきた。
2020年4月、きちえちゃんの双子姉妹であるうたえちゃんの気配が、昨年のきちえちゃんの時と酷似。
前日までちゅ~るの奪い合いをしてぴょんぴょん跳ねていて元気、だけど少し、食欲がなくなってきてる???食べてる量が少なすぎる。そして、すごく寝ている。もともとよく寝るけど、すごく寝ている。
もう昨年みたいになりたくない。念のためだ。
病院に対する不信を一旦忘れることにして、近所の動物病院に。
何が正しいのか、もう全然わからない。
血液検査の腎臓の数値で判明した。きちえちゃんもそうだったんだろうと思う。そこからできることをやりながら、看病できたのはほんの5日間。虹の橋へ旅立った、でも安らかな表情だった。13歳だった。
3匹とも猫の寿命としてはあまりにも早い逝去、納得できないけれど、受け止めるしかない。
我が家には他に3匹高齢の猫たちがいる。そのこたちをいかに守っていくか。今も高齢猫たちはすぐ体調不安定になる。その同じ近所の病院で他の猫たちも血液検査をして、薬を飲んでいる仔もいる。てんかん持ちが判明した仔もいる。
どんなに環境を整えても、年を経た身体がいうことを聞いてくれないのは、人間も同じ。
でも猫を新たに迎えるような気持ちにもならなかった。
符合するスピリチュアルなこと
ずっと闘病していたかんちゃんと違い、突然逝ったきちえちゃんの時はあまりにも納得がいかなくて、逝去後すぐに開催したイベント、『コクリ占いマルシェ』で出店してくださっていた先輩、真由先生にオカルティックな相談をした。真由先生は霊視ができる先生だから。
霊視で信頼しているのは正直私はこの人だけだ。
癒しと導きの占いサロン Healing Room Pure Peccis
本来、イベントではお試しメニューだから、真由先生は『コクリ占いマルシェ』で「霊視」はなさらないはず。特別にしてくださったんだと思っている。
ずうずうしくも「きちえちゃんの気持ちを知りたいんです」という私に真由先生はこう答えてくださった。
…きちえちゃんね、うん。今来てるよ。訊くね。
…ごめんね、ようこさん。こんなこと言うと悪いけどね、「お母さんよりお父さんが好き」だって!「だってね、お母さんは怒るから」だって(笑)。
あはは。確かに、私はしょっちゅう猫を叱ってるかも。大人しいきちえちゃんを叱ることはあまりないけど他の仔に対して。聞こえているだろうし。
そして、本当に、すごいお父さんッ子だった。いつも夫と一緒にいた。特に部屋で二人(?)っきりが多かった。
そして、真由先生が具体的に私に伝えてくれたのは以下の通り。
- 今きちえちゃんは日本の神さまにお仕えしていて、天国と地上を行き来するおつとめをしている。天国とあなたの家をうろうろしている。
- だからしばらく気配があるわよ。他の仔とは違って長く気配を感じるはず。
- 「お父さんに会いに必ずまた生まれてくる」と言ってる。お父さんに会いに(強調笑)。だからもちろん、またあなたも会える。今世であって、来世ではないわよ。この人生で、また会えるってこと。
- 会いにくる時には、猫だと思う。確かではないけど。毛皮の色は違う可能性がある。でも目を見れば絶対にわかるはず。目を見れば。
- 行き来するおつとめから離れて、つまりあなたが気配を感じなくなった時が目印。それから半年以内には会えるから。注意しておいてね。
- 必ずわかるように、やってくるから。わかりやすいはずだから。改めてわかるように来てねって伝えておくわね。
かんちゃんは、亡くなってすぐ驚くほどにあっと云う間に気配がなくなったのはよく覚えている。名残惜しさも全然なかったのかもしれないと思うと、寂しかった。だけど確かにきちえちゃんは、ずっといない感じがしなかった。
その後1年程でうたえちゃんがあんなことになり、すごい早さできちえちゃんが迎えにきている感じがした。不思議なのは、そこにかんちゃんの気配もあった。すごくめずらしく、かんちゃんの存在も感じていた。だからかんちゃんも、きちえちゃんと一緒になって、迎えにきていたんだろう。
そして「ここのところきちえちゃんの気配がないな」って、夫が言いだした。最近の話だった。確かに、きちえちゃんの気配は…ないな。うたえちゃんと一緒に虹の橋へ行ったんだろう。
だけどまだ、新しい猫に会うことについて本気にはなれなかった。高齢猫さんばかりの我が家、仔猫を迎えたいというのも、全くないわけじゃないけど、仔猫ほしいわってお友達と気楽に話したりするぐらいで。
しかし、そんな折、そのお友達がとうとう仔猫を迎えた(彼女もすこし前に高齢の愛猫をお見送りした経緯がある)。
事情があってその仔猫たちの一時保育をする機会に恵まれた。このタイミングで。
可愛い!!
仔猫に会いたいなあ。うちも…
そう考えてとうとう猫の里親サイトを見るようになってしまって。
すごく目を引いた、その仔猫の名は「みつは」ちゃん
可愛いサビの仔猫。保護したNPO法人さんのみつはちゃんの最初の記事は夫の誕生日の3日前の日付だった。夫の誕生日にどう過ごしたのかは記憶に新しい。その3日前に…。豊国神社の植え込みでたった一匹で雨にぬれて鳴いていた。
何より見た目が
- 骨格はかんちゃん、下着(?)の模様もかんちゃん
- 瞳が完全にきちえちゃん
- 毛皮や腕の感じがまだらにうたえちゃん
そんなことから、夫と笑いながら話していた。3匹全員に似てる。
「3つとも入ってるんじゃないの(魂が)」
そうだね。みっつも。はいってる。
みつは!!(爆笑)だじゃれか!!
そして、数えたら、うちの8番目のねこ。みつはの「は」は八番目の「は」。
豊国神社の雨の中、たった一匹、母猫も兄弟姉妹もいない中とつぜん現れた「みつは」。
神さまの御遣い。
豊国神社は夫が子どもの頃の遊び場。そして
里親会があったのは私が育った枚方市。
みつははミヅハノメ、イザナミの死があって生まれた。
お盆の入りに帰って来た。
わかりやすいカタチで来るって言ってた。今世に。それにもう気配もなくなってた。かんちゃんとうたえ・きちえの3匹で相談したのかな。
私はかんちゃんをもっと看れたはず、きちえちゃんを、うたえちゃんの異常をもっと早く気づけたはず。そのリベンジができるのではないのか。
(なんという都合のよい勝手な解釈であるか。見送った猫に対する後悔は消えないのに。)
ひとつだけ気がかりは、まだ猫FIVウイルスの検査結果が出ていないことだった。里親会の日からトライアルの日まで、検査結果が出てから会えるように日数に余裕を取ってくださっていた。トライアルの日より前には結果がわかることになっていた。
でもなぜか!?結果が来ない。遅れてる。保護してくださったNPOの人も、問い合わせてくれている。「まだ結果がわかりませんけど、どうしましょう?期日通りに連れていきますか?どうしますか?」
会いたくてたまらない。「連れて来て下さい」と二つ返事で答えた。保護してくださったNPOの人は猫の小ささからみて、FIVに感染している可能性は低いと考えていい、とも判断してくださって、予定通り、みつはちゃんを連れてきてくださった。でもしばらくは、念のために先住さんとは完全隔離。隔離するための環境なら揃っている。
二日目が過ぎようとしたお昼頃、LINEが届く。電話下さいと。
猫FIV 陽性
ここまで来て、これだけわかりやすい状況でやって来たみつはちゃん、もうトライアルどころかうちの仔にすると決めていた。動かせないと思った。
落ち着いて考えられない。
インターネットには、「上手にちゃんと暮らせば、他の仔にうつらない病気」と書いてある。私にもっと知識があれば可能だろう。
反射的に「お戻ししません」と、一旦返信してからも、悩みに悩んだ。
七之助は一緒に暮らしている猫に、しょっちゅう狩りをする。実際きちえちゃんは七之助から隔離する意味で二階で暮らしていた。
みつはちゃんを絶対に噛まない、とは言い切れない。
それを考慮すれば、みつはちゃんを完全隔離、完全に一人部屋、単体飼育、先住さんともじゃれあえない。
もともと二階には梅之助がきちえちゃんと共存していた。みつはちゃんを単体飼育にするならば、梅之助は二階を諦めないといけない。時間が経てば諦められるだろう。だけどあきらめるストレスはハンパじゃないはず。もちろん、共存できるなら、大丈夫なんだけど…
みつはちゃんを諦めるしかない。だけどこれは?
戻すしかないのか…という決心をしたのは夜になった。万一の時のことを考えた。先住猫優先、それは当たり前とわかっていても悔しくて仕方ない。決心が揺らぐので、翌日にはNPO法人にお連れしようと決めた。
そしてお戻してすぐに、もう次の里親さんのトライアルが決まっていた。色々な事情はお聞きしたけれどプライベートなことなので割愛します。トライアル、うまくいっているみたい。
すごく、いいご家族に恵まれた。それだけで、私と夫はとてもうれしい。みつはちゃんなら絶対に好かれる。自信がある。
たった48時間だけでも、うちの8番目の大切なねこ。みつは。
本当によく動き回るので、たった48時間では良い写真が少ない。だからお借りした写真ばかり。次のお家では、たくさん写真撮ってもらうんだよ。
さて、ここまできて、何だったんだ?という思いが湧いてきた。この48時間。わかりやすすぎたみつはちゃんの出現は、私が都合よく解釈していただけなのか?…何この現実?
真由先生のところにもう一度行きました。
「ようこさん、よく来たね、これでやっとFinだよ。」そう笑うと真由先生は、続けて話してくれた。
「確かに、3匹は相談して、あなたのもとへやってきた。だけど、もう一度お世話をしてほしいわけじゃなかったの。現実主義者のあなたには、そこまでやらないとわからないと思ったんだって(笑)
一番わかりやすい状況を作るために、みつはちゃんの身体を選んで、借りたのよ。単に『3匹いるよー!ちゃんといるよー!魂はちゃんとあるよー!』って伝えたかっただけみたい。わんちゃんより、猫ちゃんの方が、亡くなってから『いるよー』って主張する仔が多いのよね…(笑)
あなたが一旦、受け入れる、っていうのがミソなの。お盆っていうのもね。お盆はこういう不思議なことがよく起こるのよ(笑)」
「だから…検査の結果も、たった2日なのに、遅れたんですね。また、来てくれる?うっちゃんと、かんちゃんと、きっちーに会いたい」とついつい泣く私に、真由先生はもう一度、訊いてくれた。
「う~ん…、うん。あのね、3匹のうち、もう一度地上で暮らしたいのは1匹だけ、うっちゃんと、かんちゃんはもういいみたい。きちえちゃんだけ、お父さんに会いたいって。
かんちゃんは、『ここから見てるわ~』ってニコニコしてる。うっちゃんはただ、ニコニコしているだけ。もうこちらに来たい感じではないわね。いつも見てるからね、ようこさんがこちらにくるずっと先になるけどまた必ず会えるからねって。」
「きっちーは来てくれるんですか。どんな風に。この世に来てくれるんですか」って訊くと。
「新しい魂で来るから、あまりこだわらないで。必ず、会える、必ず行くからって。きちえちゃんが言ってる。ようこさんはこれから、新しく猫の魂を受け入れて育てて、そして送る人。だから3匹のことはそんなに気にしないで、育てればいいのよ」
真由先生はにこにこして、答えてくれた。
これからの我が家のねこのこと
私はこれから、またしばらくしたら、できれば同じNPO法人さんで新たな仔猫を迎えたいと思っています。欲を言えばきちえちゃんに似ている仔を。でもあまり強くこだわらないで、ピンときた仔を迎えよう、そんな気持ちになりました。
そして何より、高齢の先住さんたち3匹をまた改めて、大切にしていきたいと思いました。ここまで写真が出てきていない、可愛いもう1匹は、せんちゃん。(↓の写真は在りし日のうたえちゃんとともに)
おかえり、みつはちゃん。お盆に帰って来てくれてありがとう。
そして、元気でね。
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